好きはきっと最高級

好きなことの話をざっくばらんにします。

お仕事してる姿が一番です。

今日も今日とて推しさんが素敵なのですが、

きっとどなたであっても、

お仕事を熱心にしてる瞬間というのは

ときめくものと思うのです。


私の推しさん、神谷浩史さんはお仕事は

声優

です。

声で音を再現する、とご本人は仰りますが、まさに的を得た言い回しだなぁとご本人を見ていると思います。。。

とはいえ最近、声優さんのお仕事は多岐に渡り、ラジオ、テレビはなんのその、アイドルやタレントと同じような仕事も多く行なっていますね。


そんな中でも、やはり声優という仕事の主軸は

声で音を再現すること!

まさしくお仕事されてる…プロってやば…そう思わされた今回のお仕事。


声優×怪談 (NHK 8/14.15)


二日間かけて、腕の立つ声優さんが怪談を朗読してくださるという良企画。

界隈はそれはもう沸き立っておりましたが、

本当に期待を裏切らない、いやむしろ凄すぎて期待を上回るひとときでした。


(私ごとですが、お化けとか怪談とか滅法だめなので、心的ダメージは大きかったですw)


神谷さんが朗読なさったのは

呪怨

菊花の約

の二篇。




伽倻子や俊雄といった登場人物は、日本人なら一度は見たろうといえる知名度呪怨


今回、一人で朗読なさるということは神谷さんが女役も…?とドキドキしていましたが、

いい…女役でした………


いやはや、厳密にいうと男性の声だな、という声ではあるのです。

が、しかし。地の文、他の男性役の声とは全く違う"雰囲気"をそこに纏わせるのがとてもお上手なのです。

何だか上から目線な言い回しになり大変恐縮ですが。


よく、山寺宏一さんのように様々な太さ高さの声、七色の声だなんて言いますが、そういう声質自体をコロリと変える声優さんもいらっしゃいます。

神谷さんはご自分でも、そういうことはできないと仰る時があります。

でも、こういった複数人を司る演技を見せられると、

そこに複数人いる、

そこに人が存在するように装い魅せることができる、

それだけの表現力を持った声優さんなのだと感動します。


人が変わればも勿論ですが、

セリフによってグッと顔や身体の筋肉を使われていたのも印象的です。


姿がカメラにとられていたので意識されていた分も少なからずあるやも知れませんが、

近い音にするため、身体を全て使おうとする姿が垣間見え、

ドキドキしていました。


大きなリアクションをした後、すぐに地の文に移るときの目線。

所詮声優は演技をするといっても、文字を見て読み上げることが主、と仰られていたこともありましたがその通りで、

演技をする中も常にその一歩先の情景を

この台本の文字から見出しているのだと感じました。




菊花の約はうえだゆうじさんと二人での朗読。


うえだゆうじさんは、神谷さんがとても尊敬している方と思いますし、

前バレとして、

神谷さんがうえださんとならもう一回よめばもっと良くなると思う、

と二回録りしたとのお話も。


もうそのエピソードからして、相当素敵なものが仕上がっているのだろうと早く聴きたくてたまりませんでした。


地の文から始まる音に思わずため息をつかざるおえませんでしたよ…

いやもう、綺麗か。(ツッコミが雑)

美人声と言いましょうか。いやもう、声が

日本画のタッチ、振り返り美人の形相。

地の文でそれなのに、セリフともなれば

切なさを孕んだ息を含み、それはそれは上等な絹のようでした。


〔すぐ、こういう比較をだすのよろしくないのは承知ですが、オタクなので許してください。

罪の褥も濡れる夜(BのL)というドラマCDのなかで冬貴という少年(〜老人)を神谷さんは演じてらっしゃいます。

設定自身が、女男問わず人を魅了する、というハードルにも関わらず、それを満たした色気と儚さしか無いような声が聞こえてくるのです。

なんだろう、聖水の上澄み液みたいな。

私のなかでは、この方の声の一番貴い部分はこの演技のようなものなのです……〕


本題に戻りますが、

そういう、神谷さんの為せる声、演技のなかでも、柔らかくて触れると傷つきそうなものを出して下さったことに感動でした。


うえださんが、一人で朗読されていたリングのおどろおどろしさはとても聴いてられるものでなかったのですが、笑

こちらの兄上の憂いを帯びた声と言ったら。

本当に同じ人か疑いたくなります、すぐ。


それに応じるように演技が盛り上がっているのが感じられて胸熱でした。


二人が、お互い見合わせることもせず、リズムだけでユニゾンを経たところなどは、2回目、というのが存分に効いているのかと思いました。

また、神谷さんがちらりちらりと目線をうえださんに寄せる時があり、それこそ人物が乗り移っているようだと感じました。


最後の兄上が消えていくシーンでは、

うえださんが音を抜くようにマイクからスッと

顔を背けるのに対し、

神谷さんは、食いつくように兄上ッ兄上ッと声を荒げる。

喉にかかるような声の粗い、荒げ方が大好物なのでとっても興奮しました。


朗読を楽しみつつ、五感すべてでこの情景が映し出されているのを楽しめました。

これからも、ゆったりと朗読を楽しめるような企画があれば嬉しいです。