私のまだ比較的短い人生の中で、辛い時に一番寄り添ってくれたのは、エンタメ達です。
なんども読み返し自分を鼓舞した本、きゅんきゅんして失恋を忘れさせてくれた漫画、異世界へ連れ出して一時でも辛いことから逃げさせてくれたアニメ、日々辛くともその日までは何とかと踏ん張りを効かせる道具にもなってくれたライブ。
ライブ。
ライブ、すごく好きなんです。
なんでかと聞かれると、前にも書いたかもしれませんがその瞬間だけは、その人のワールドがそこにあるんですよね。
その人の音楽に、伝えたいものに、どっぷり浸かって。同じように浸りに来た人と盛り上がれる、非日常が好きなのでしょう。
そういうライブが自分の根幹をすごく支えてくれていたのだと、実感する現在です。
私の好きな人は、あまりライブをされません。(ご本人のご意向もありますが)
してほしいとは思うものの、何となく強くは言いづらい、だからもし、やろうと言って下さるのなら全力で楽しみに行くと、思っていました。
そんなこんなで、今回のライブが決まった時本当に、本当に、天にも登る想いだったのです。嬉しくて楽しみで、ワクワクで、期待で押しつぶされそうで。
でもこんな状況ですから、中止になってしまったのです。
一ヶ月も前にお伝えして下さいましたし、運営としても苦渋の選択だったでしょう。ご苦労様です。
でも、それで演者、スタッフ、ファンの皆様の安全が守られるなら、それで良かったのです。
……………と、割り切れてたら何も苦労しませんね。
私の好きな人が努力してきた時間、スタッフの皆様が作り上げてきた時間、そう言った一つ一つがもう取り返しの付かないものになってしまった絶望感が、心から指先まで冷え渡るように感じられます。
あったであろう設備、いたであろうゲスト、そして10周年の締めともいえるアルバムを出した後というタイミング。何を逃しても、今このライブは出来上がらないのに、それがもう手の届かないどこかにいってしまう。
同じライブタイトルで同じ構成でやり直したとしても、生まれないライブが、ここに生まれてしまった。
また、ライブをしょっちゃうされる方ではありません。だからこそ、ライブをすると決断した時の葛藤もあったでしょう。その勇気すらもう無に等しいものになってしまいました。
健康であればまた交わる道もある、本人が行ってくださった言葉です。今はそれにすがるような思いで、健康に暮らすしかありません。
しかし、それ以上に自分の中であの人のライブがあるという事実が、自身の心の健康の支えになっていたんだとただ思うのです。
ライブというものが何故好きか。と聞かれ、実はライブ中だけが好きなのではないと言うことに最近気づきました。
ライブに行くまで、そのために働いて服買って美容に気を使って、
ライブに行って、
ライブに行った後、ライブの話で盛り上がって次のライブを妄想してそれまでがんばろって思わされて。
ライブがあるだけで、その前後のながーい時間そのものがいつもより楽しくなるんです。
いつもの生活も楽しいですが、もっと楽しい生活になるんです。
そんなライブがいなくなってしまった。
今まで、当たり前に感じていたものがない、それ以上の絶望です。無力です。好きな人は、これまできっとライブのために多大な努力をさてくださっただろうに。
今は、ただただ、部屋の片隅で、
ありがとう、沢山努力して、ライブを作ろうとしてくれて、本当にありがとう
と思うことしか出来ない、
それしか出来ないのが、辛いです。