好きはきっと最高級

好きなことの話をざっくばらんにします。

私もきっと大丈夫【大丈夫倶楽部】

少し偏見的な言い方になってしまうが、女性はどこかのタイミングで、

自分の機嫌を取らなければ!

と自分の機嫌やメンタルと向き合う瞬間がある、と思う。

というのも生理があるといかんせんかなり定期的にホルモンが乱れて、感情のジェットコースターに巻き込まれる上、体調も整わない周期的絶不調があるのだ。

生理が始まった中学生のころとかは、きっと反抗期という生き物そのもののメンタルアタックもあいまって自分のメンタルを理解できなかったが、成長するにつれ“こ、これはそういうよくないタイミングだ・・・!なんとかせねば・・・!”と分かるようになってきた。自分の操作出来ないメンタルの駄目さを、自分で何とかして乗り越えねばと思うようになってきた。

 

仕事をしていて何となくのどに小骨がささったように同僚の言葉が引っかかったり、

見た映画が何となく自分の過去のいやな経験を彷彿とさせたり、

生理だけでなく“こ、これはとにかく私の何かがやばい・・!”というメンタルダメダメタイミングはそれとなく襲ってくる。

ところがどっこい、ただ年を重ねた私ではないのだ、こう見えてもこの私の“なんかやばい”について私は10年以上経験と研究を重ねているのだぞ!

そんな強気で自分を思い出し、性急にこの状態を脱する為あらゆる手を尽くすのだ。

ちなみに私の脱出方法は、

・大好きな「Shape of water」の劇伴を聞きながら小一時間号泣

・好きなラジオを聴きながら、アユーラの入浴剤を入れた風呂に入る

デスノート(と呼んでいるノート)にムズムズした瞬間について雄弁に書き記す

・部屋の掃除、皿洗い、風呂掃除、とにかく部屋をきれいにする

等々…私なりの研究結果がここに集約されているのである。

 

友人と話しているとそういう風に自分なりの脱出方法を極めている人間が一定数いることはわかっていたのだが、

この世の中で、意外とそうやってみんなやりくりしていたのか…とほっとさせられたのが漫画「大丈夫倶楽部」だった。

そんなことしてる暇があったら一秒でも早く寝た方が有意義では?そんな正論を大外刈りして、自分を何とかするためになんか“動く”ことを優先する、

そんな仲間がいたのだ!と大丈夫にさせられたのだ。

何より、さっきから何度も言っている“なにか形容しがたいけどなんかよくない!なんかやばい!”を「大丈夫じゃない感じですか?」というシンプルな言葉に置き換えられたのがホッとしたのだ。人間は言語化されると納得するとかいうが、まさにそれである。

そう、私も大丈夫じゃないんです。

 

この大丈夫になる為の努力をしているのは私だけじゃなかった…わかる、わかるぞー!のオンパレードの作品なのだ。

小さいぱーてぃーを開いてみるとか、カラースプレーとかのちょっと憧れのあるものを使ってみるとか。

主人公のもねが、小さな積み重ねで大丈夫じゃなくなってしまう様子も、日々大丈夫になる為にありとあらゆる手を尽くす姿もとってもわかる、しかもかわいい。もねがちょっとした工夫でウキウキしたもの作り出すことで、こんなにも大丈夫になれるんです!という姿にうなずきすぎてしまう。

それが幼い頃からというのもいい。一朝一夕でできたものではないのだ。

 

大丈夫になることを主軸においているので、それがわかる!は当たり前なのだが、

主人公にの周りには自分で大丈夫を作り出すことに主軸を置いていない人物もたくさん出てくる。

この作品の主題に乗っ取らない人物だけれど、“そういう人もいる”とその人の素敵さがにじみ出るシーンが多く、

この作品の経典に乗っていない人を否定しないそのやさしさも心地よいのだ。

そんないろんな登場人物が精神的に遠い距離にいるかと思いきや、細い糸でつながっていく様も面白い。

ただただ、大丈夫からの脱却を描くギャグで終わらせないやさしさが、この漫画の読み心地の良さだと思う。

 

芦川さんのわがままボディが可愛くてつい見入ってしまったり、

主人公もねの前髪がふわふわと動くのが可愛かったり、絵柄を見るだけでもどこかほっとしてしまう。これからもこの作品が自分の大丈夫脱却の経典として、存在していてほしい。